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現実に好況が来れば、成長の果実が貧しい人にまで十分に行き渡っていないことが問題だとなる。 人の気持ちに余裕があるから、困っている人にも目がいくのである。
現在、景気の絶頂期にあるアメリカでも、サービス産業の非熟練労働者の賃金はたいして上がらず、一握りのエリートだけが大きく所得を伸ばしているから不公平だという主張を耳にする。 それでも不況期に比べれば、非熟練労働者たちの雇用率は高く、不況期よりはずっとよい状態に置かれている。
好況期には貧しい人にも分け前をとなり、不況期には働く人のヤル気を削ぐなとなる。 消費税の効果最高税率の引き下げと課税最低限所得の引き下げを組み合わせるという税制改革と同様の効果は、所得税から消費税への税制改革によっても現れてくる。

所得税は所得を得るときにかかる税金であり、消費税は消費するとともに支払う税金である。 上記のように低所得者ほど消費性向は高いから、所得税から消費税に置きかえるということは、低所得者から高所得者への所得移転を生み出す。
したがって、経済全体の有効需要を引き下げ、景気に悪影響を及ぼすのである。 実際、97年4月に行われた消費税の3%から5%への引き上げによって、景気が後退したという指摘は多く見られる。
また、その理由としては、国民負担が増えたから消費者が財布の紐を締めたということがいわれる。 理由であれば、所得税の引き上げでもいわゆる国民負担は増えて、消費税引き上げと同じ効果があるはずであるから、望ましくないはずである。
逆にいえば、景気の回復には減税なら何でもよいことになる。 減税には財源が必要である。
そのため、他での増税や公共投資削減による所得減少効果までをも考慮すれば、減税はほとんど無意味であり、特に財源が公共投資削減であれば、かえって景気に悪い効果を生み出しかねないということは、すでに指摘した通りである。 また、消費税は消費にかける税金であるから、消費にはマイナスの効果があるといわれる。
よく考えてみれば誤りである。 所得の使い道には消費と貯蓄がある。
消費税はもちろん消費をすればかかるから、一定額の消費の実質価値は、消費税分だけ下がってしまう。 他方、貯蓄に回せば、とりあえずは税金を払わなくてよい。
いつかその分を使おうとすれば、必ず消費税がかかってくる。


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